ウォルト・ディズニー・カンパニーの創立100周年の記念作品である『ウィッシュ』は、ディズニーの集大成と言われている作品で、ディズニーで描かれ続けている『願い』がテーマです。
前評判はあまり良くない印象でしたが、ディズニー映画の最新作であり、しかも100周年を記念した作品ということで、絶対にスクリーンで観たいと思っていたので、公開後すぐに映画館で観てきました!
そんなウィッシュですが、4月26日からついに日本のディズニープラスでも動画が見放題配信されるので、観てみたいと気になっている人もいるのではないでしょうか。
ウィッシュは本当につまらない作品なのか?実際に鑑賞した感想をまとめます。
ウィッシュはつまらないって本当?
ディズニー100周年の記念作品と言われたら、どんな素晴らしい作品になるんだろうと嫌でも期待しちゃいますよね。
ストーリーも気になりますが、ディズニー100年の歴史がウィッシュの映像にも詰まっているとのことで、100個はあると言われていたオマージュを見つけることも、この映画を観る楽しみの一つでした。
実際にストーリーはどんな内容だったのか、鑑賞中にオマージュに気付けたのかを紹介していきます。
ウィッシュのストーリー
どんな願いも叶えてもらえる国に住むアーシャが、お爺さんの誕生日にお城で王様に会い、国民の願いを支配している王様の秘密を知ってしまいます。
そして、みんなの願いを取り戻すために立ち上がりますが、仲間の裏切りがあったりアーシャがピンチを迎えます。
その後、アーシャが星に願いをかけると空からスターが降ってきて、スターとバレンティノ(ヤギ)と共に王様に立ち向かっていくというストーリー。
とてもシンプルで、とても分かりやすいストーリー展開で、小さい子どもも楽しめる内容だったと思います。
また、タイトルの「ウィッシュ」=「願い」というワードが何度も出てきて、タイトルに込められた想いをストレートに感じられる作品でした。
ディズニー作品のオマージュについて
ディズニー100年の集大成である作品とのことで、100以上のオマージュが散りばめられているとの話がありました。
100もあるなら見つけられないだろうなと思いながら、いく気付けるのかとても楽しみにしていました。
そしてその話の通り、今までのディズニー映画を想像させる配役や名場面のようなシーンがあって、そのパクりぶりに思わず笑ってしまう場面もありました。
一目見てで気づくシーンもあれば、時間が経ってから気づくものもあって、もっと探したいという欲が出てきました。
ただ、「このシーンは〇〇かな?」「あ、ここは△△だな!」などと考え始めるとキリがなくて、肝心のストーリーが全然入ってこないことに気づいたんですよね。
それではなんだかもったいない気がしたので、まずはオマージュを忘れてストーリーに集中することにしました。
初めて観る人は同じような状況になると思うので気をつけてくださいね。
ウィッシュの感想・レビューをネタバレありで紹介!
前評判では厳しい意見もあったウィッシュですが、願いを叶えようとすることの大切さをストレートに訴えてくる内容だったので、夢も希望もないなと思う大人こそ観るべき作品だと感じました。
ピュアで分かりやすいストーリーと、ディズニーらしい聴きやすい音楽でとても楽めましたが、違和感を感じる部分もあったので、ネタバレありで紹介していきます。
ウィッシュのストーリーに感じた深い話
ストーリー展開はサクセスストーリーの王道そのもので、どんでん返しもなく、ほぼ予想通りに話が進んでいきます。
「願い」がテーマではありますが、夢や希望をただ楽しいものとして語るのではなく、願いに秘められた想いや、願うことがその人を作っているという深いメッセージを感じました。
そして、夢を叶えることは「簡単ではないこと」「叶わなかった時の喪失感」そして、最終的に「願ったことそのものを忘れること」などの願いに対するマイナスの部分も表現されています。
物語の中では18歳になったら王に願いを差し出すのですが、その願いを差し出した時点で人々は願いそのものを忘れてしまいます。
願いを忘れて仕まえば心もスッキリ軽やかに過ごせると王様は言いますが、みんなどこか寂しそう。
確かに願いを忘れてしまえば、うまくいかなかった時に傷つくこともないので心穏やかに過ごせますが、果たしてそれでその人の人生はいいんだろうか?
でも、人々は王様にいつか願いを叶えてもらえるって信じているのでその疑問が不信感になることはありませんでした。
これって現実の世界にも色々な場面にあるなって思ったんですよね。
最初は志高く頑張ろうと思ったのに、いつの間にか流されて志を忘れ、希望を持つことを諦めて、毎日同じことを繰り返していく日常。
アーシャもそんな日常に違和感を感じて、人々の願いを取り戻そうと星に願いをかけ、スターがアーシャの元に降ってきます。
正直、ディズニーらしい物語展開で、ディズニー映画らしい「キレイゴト」と言えばそれまでなんですが、シンプルなメッセージだからこそ、私もまた挑戦してみようと背中を押されました。
話に引き込まれる一方、映像にも派手さは感じなかったのと、色合いが地味でカラフルさに欠けたような気がしたので、「100周年だから…」と壮大なものを期待していたら若干期待はずれに感じる人も多いだろうなと思いました。
ウィッシュを見て感じた違和感
劇中の音楽や歌は、ミュージカル映画というだけあって、曲も覚えやすくてとても印象的でした。
帰り道にはSpotifyでサントラの曲を再生して、息子と歌いながら帰宅してとても楽しい時間になりました。
主役の生田さんや、王妃の檀れいさんの歌も感動したのですが、「最恐」とされたマグニフィコ王が個人的にはちょっと物足りなく感じました。
福山雅治さんの歌も声もかっこよくて、ハンサムな王にピッタリで何度も「かっこいいなぁ」と惚れ惚れしましたが、マグニフィコ王のキャラクター自体に「最恐」という恐怖も、「悪」を感じることはなかったんですよね。
また、話の中でも王が良かれと思って守った人々の願いを、アーシャと接することでそれに強烈な力があることに気づきますが、その流れがなんとなくふわふわし過ぎて軽い印象になってしまったように感じました。
そしてその後、国民が王にいくつかの質問をしたことで王が激怒し、「無礼者め!」と歌うあのシーン。
「今まで尽くしてきたのにこの無礼者が!」という歌詞の内容ははわかるのですが、曲がものすごくポップでキャッチーに感じて感情と曲がマッチしないと感じてしまいました。
そしてその曲のせいか、なぜ封印していた禁断の書に手を出してしまったのか共感できなかったんですよね。
今回は吹き替えで見たからそういった印象になったのか、字幕版だともうちょっと違って見えるのかわかりませんが、ここだけが残念に感じてしまいました。
でも福山さんの歌声はとてもかっこよくて良かったと思いました。
まとめ
ディズニーカンパニー100周年作品ということで、期待値が高く、その期待値が高い分、厳しい意見もあると思いますが、周りにいた子たちも「おもしろかった」と話している声がたくさん聞こえたので、大人から子どもまで楽しめる映画であることは間違いないと思ます。
また、上映中だけじではなく、「あのシーンはあの場面だったね。」なんて話ができたので、しばらく盛り上がれる作品だったと思います。
見る年齢やタイミングによって、受け取り方も変わるし、新しい発見があると思うので長く楽しめる作品ではないでしょうか。
最後のエンドロールにもディズニー好きでお馴染みの有名人や、歴代の声優を担当した有名人の名前もたくさん書かれていて、最後の最後まで楽しめちゃいました。
そしてついに、4月26日から日本のディズニープラスでも動画の見放題配信が始まるとのことなので今からとても楽しみです。
動画配信では何度も一時停止をしながらオマージュを探すこともできますし、気になっている方はぜひ観てみてくださいね。